「でも、だからと言って蒼斗くん達が悪いって訳でもない…」
「なんですか、それ…」
「椎葉くんはさ、あの店に来るけど、あたしはあまり話さないの。他の子達がさ嬉しそうに話してるだけであって、」
「はぁ…」
「あたしはどちらかと言うとその友達と話すほうが多くてさ」
「……」
「今まで色んな事話してきたの。もちろん椎葉くんの話も沢山聞いたよ。でも、椎葉くんってこー見えても真面目だって言ってたよ」
「はい?」
恭が真面目…
まさか。
「彼女には一途なのーって、友達が言ってたけど…」
「一途…」
そもそも彼女って、誰?
「周りからはよくない噂だらけだけど、女遊びなんてもってのほかだとか――…」
「で、でもっ、」
思わず声を発してしまった所為で、麗美さんの口は止まる。
そして。
「でも、女の人と抱き合ってる所も、アオの彼女を奪ったとか…」
そう、続けてあたしは少しづつ麗美さんから視線を避け俯いた。
だって、ほんとにこの目で見たから。
恭が女と抱き合ってる所もキスしてる所も。
それでも女遊びはしないって、言えるの?



