彷徨った子猫のように途方に暮れてしまった。
でも最終的に着いた場所は意外な場所だった。
何でここに来たのかも分からない。
どうしてなのか分からないけども、気づいたらここに来てた。
祥人くんとの別れ際。
教えてくれたアオの居場所。
色んな機械の音が響く車の修理現場。
中には作業着を着た人達が数人いる。
その中で見つけてしまった。
…アオの姿を。
その必死に働いている姿に、どうして何も言ってくれなかったの?
って、心ん中で呟いた。
暫くその姿を見た後、あたしは背を向けたその瞬間、
「…若菜?」
不意に聞こえたその声にゆっくりと振り返った。
「なに?どーした?」
そー言いながら嵌めていた軍手をアオは取る。
「どーしたのはそっちでしょ?なんで言ってくれなかったの?」
「…別に言う必要なくね?」
「あるよ」
「つか、お前も顔ださなかっただろ?それと一緒だろ」
「……」
「学校行ったのか?」
「……」
「その表情は行ってねーな…」
苦笑い気味でアオは軽き息を吐き捨てた。



