澄んだ空の下で


混乱する頭についていけなかった。

誰が正しいのとかも、誰を信じていいのかさえも分かんなかった。


「…だからアオは若菜ちゃんの事、申し訳なく思ってるよ」

「え?」

「若菜ちゃんと傍に居るだけで、過去を消し去ろうとしてた」

「……」

「若菜ちゃんを縛ってたって、ずっとアイツは悪いことだと言ってたよ」

「あたしは別に…」


むしろ、あたしがアオを縛ってたんだよ。


「だからそんな若菜ちゃんがまた恭さんに近づく事に腹立たしかったんだと思う」


“だからアオの気持ち分かってやんなよ”


そう最後に付け加えられた言葉が頭から離れなかった。


祥人くんと別れた後、ずっとずっと頭の中で考えてた。

どうしたらいいのかとか、誰にどう話したらいいのかなんて分んなかった。


全てが信じられなくて、今が現実なのかも分かんなかった。


アオも大切だよ?

ずっとずっとあたしを支えてくれていた。


だから見捨てたくはないの。


でも恭だって…


見捨てたくはないけど離れなくちゃいけない。

でも、祥人くんが言った事は信じたくないの。


なんかの間違いだって、そう信じたいの。