澄んだ空の下で


“ピルの購入方法”


スマホの画面に打ち込む。

少しでも時間が経っていく事に恐怖を覚え、震える手でサイトを開ける。


だけど、当たり前に初めての事ばかりが頭の中でグルグルと回って、文字を見てるだけで視界が遮断されそうになる。


やっぱし誰かに言うべきか。

だけど、そんな相手なんて居ない。

美奈子にも言えない。言ったら言ったで軽蔑される。

むしろ、こんな事誰にも言えない。


半分意識が遠のいていて、これが事実なのか嘘かも混乱し始める。


…あたし、本当に?

結局分かった事は病院でって事。

だからと言って、病院すら行けなかった。


病院でなんて言えばいい?


グルグルと回る言葉と、込み上げてくる吐き気。


「……うっ、…ゴホッ、ゴホッ、」


気持ち悪くて気持ち悪くて息すらまともに出来なかった。


早く、出なくちゃ…


露わになった制服を整える。

コンクリートの汚れた地面の所為で制服は汚いまま。


こんなんじゃ、帰れない。


でも、ここに居てもと…そう思い重い身体を起してゆっくりと足を進めた。