でも、だからと言って、そこの学校まで行こうと思わない。
別に好きでもないし興味すらない。
ただ、気になっただけだから。
「…よぉ、若菜っ」
不意に聞こえた声に一瞬、ドクンと心臓が波打った。
ゆっくり視線を送る先に見えたのはアオ。
「なんだ、アオか」
アオだと思った瞬間、浮き滲んだ汗が一気に冷める。
「なんだとは、何だよ」
「いや、」
「つか何やってんの、お前?」
「別に。アオは?」
「あー…俺?俺は今からダチ達と合流」
「あぁ、そう」
「若菜も来っか?」
「いいよ。だって学校の子達居るんでしょ?」
「いっけど、別に良くね?俺とお前が仲良しだって知られても」
「やだよ。そんな事になったらあたし女の標的じゃん?ほんと、勘弁してよね」
「んじゃ、俺が守ってやっからさ」
「…って言うか、守る相手違うから。じゃーね、」
フイっとそっぽを向く様に顔を背けると、
「…若菜?」
今度は真剣なアオの声が耳に入る。



