すると、愛莉は

「流星、違うの…」

小さく、消え入りそうな声で言った。

「なにが?」

俺が、そう聞くと

「私、キスがいやなんじゃなくて…。
その、私ばっかりドキドキして。
流星は、余裕そうだし…だから、「俺、そんな余裕にみえる?」

「う、うん…」

その瞬間、俺は愛莉を抱き締めた。

「りゅ、流星!?」

愛莉は、いきなりの事で驚いた声を上げた。

そんな愛莉に

「俺、余裕ねぇ」

そう言って、また煩くなった心臓のところに愛莉の頭を持って行った。