・・・

今日も、忙しい一日を終え、

時計に目をやると、午後11時。

やっと帰れるが・・・

まさかと思いながら宣伝部へ行くと。

・・・

思わず深い溜息が出る。

やはり。

まだ仕事をしていたのか。

オレは静かに、でも足早に、

彼女の前へと歩み出た。

・・・

オレに気が付いた彼女・・冬美は、

オレを見るなり、目を見開いた。

・・・

「・・・まだ会社におられたのですか?」

「その敬語、止めろと言ったはずだ」

「・・・あ」

・・・

閉まったと言う冬美の頭をグイッとこちらに近づけ、

唇を奪う。

・・・

「止める気になったか?」

「・・・う、ん」

「帰る用意をしろ。

何でこうも、毎日遅くまで仕事をしてる?

無理をしすぎだ。そのうち倒れるぞ」