「あの、質問が」

あえて、ベッドから

目線を逸らし、言葉を発する。

・・・

「なんだ?」

「まさか、ここで一緒に寝るんですか?」

「質問の意味が分からない。

当たり前だろ、何でそんなことを聞く?」


・・・何で聞くかって?

いやだからに決まってるからでしょ?

「あ、あっちの部屋に、

ベッドとかはないんですか?」


「・・・ない。

あっちは書斎みたいな場所だからな」


「・・・」


黙り込んだ私に、

翔は首を傾げながら、

荷物をベッドの上に置いた。


・・・

「着替えを済ませたら、

下に下りてこい、加藤さんが食事の用意を

してくれてるから」


私は黙ったまま頷き、

翔はそれを確認すると、

部屋を出ていった。