時計に目をやると、

午後1時。

午後の仕事を始めないといけない時間。

・・・

私は意を決して、

翔に言った。

「社長、おいしい食事、

ありがとうございました・・・

ですが、そろそろ帰らないと、

午後の仕事が残っています」


「…ああ、そうだな。

だが、最後に質問が」


・・・まだ質問があったのか。

私は小さく溜息をつき、

社長をまっすぐに見つめた。


「どんな質問でしょうか?」


「お前には、想い人がいるのか?」

・・・

その言葉を聞き、

私の顔色は変わる。

出来れば先輩の事は話したくない。


「・・・」

「これが一番重要な質問だ。

ちゃんとウソ偽りなく答えてほしい」