「…翔」

「今すぐ、結婚しよう」

・・・

翔の名を呼び、

顔を上げた瞬間、

私は翔の腕の中にいた。

・・・

翔の行動に、言葉に、

驚いて、言葉が出ない。

・・・

「レイとのキスは、なんでもない・・・

冬美を傷つけるには十分だった。

それは謝る…だが、

オレには冬美しかいないし、

冬美しかいらない・・・

もっと早く、こうしてればよかった。

冬美を安心させるために、

早く式を挙げて、婚姻届も出せばよかったと、

ずっと後悔してた。

探してる時、もう二度と冬美は

オレの元に帰ってきてくれないと思っていたから、

抱きしめてる今も、

不安で、オレの愛は、

冬美を幸せには出来ないか?

どうすれば、冬美を幸せにしてやれる?」