・・・

あれからどれ位、時間が経ったのか。

気が付けば、

辺りは薄暗くなっていた。

・・・

風邪も冷たくなってきて、

オレは迷わず、

冬美の方に、スーツをかけた。

・・・

「翔も、寒いのに」

「オレは心配ない、暑がりで有名だから」

オレの言葉に、

クスッと笑った冬美。

・・・

その笑顔につられて、

オレも笑顔になった。

・・・

オレの左腕には、

彼女が・・・

諦めかけていた想い人が、

今ここにちゃんと存在し、

そして、その彼女から、

愛の言葉も貰った・・・

これいじょうな幸せは、

きっとどこにもない。

そんな思いだった。