英和さんは突っ立ったまま

少しの間声を失っていた




「鈴……」

「……」

「ごめんな鈴、ごめんな」




英和さんは鈴の手を握った

冷たく小さいその手を



「横井君」

「はい」

「ありがとうな、ここまで」

「…いえ」



俺は鈴を見ながら言った



「むしろ俺が感謝する方ですよ」