「でも。私はこの町が好きだよ。何もないけれど、この町が好きだ。」
「………」
私は何も言えなかった、いや、何も言葉がみつからなかった。
「…私、この祭り出ようかな。」
「本当かい?それは良い事だよ。思いっきり楽しんでおいで。」
「私も引っ越したからにはもうこの町の住人。この町のこと、もっと知りたい。」
そうかいそうかい。と嬉しそうにウンウンと頷いて私の顔を嬉しそうに見た。
「そうだ。歌奈ちゃん、浴衣着ていかないかい。」
「えっ、浴衣?」
「ちょいと待っててね。」
そう言うと、タンスから浴衣をひっぱり出してきた。


