「そっ…そんな…」



私は傘立ての前で小さくかがんだ。



「芽流斗…どこいっちゃったの…」


私は目の前が真っ暗になった。


もしかして、今日芽生紅が学校に

来てなかったのは…


彼女がこの世界から消されていたから?


「私、人気者なんだよ?可愛くって頭もよくって、足も長くて、誰からも愛される人気者なんだ…なのにっ!!」


だって…こんなの…


誰もいなければ人気者でも何でもない…



「いやぁぁぁぁあっ!!」


みんな戻ってきてよ…

お願いよ…戻ってきてよっ…



一人虚しげな声が誰もいないこの町に

寂しそうに響き渡った。