―――ドンドンドンッ…


私は必死で家のドアを叩いた。

でも、家には人の気配すらなかった。



「どうしてっ…開けてよっ…開けてッ!!」



そんな必死になって雨でびしょびしょに


濡れた私の前を近所のおばあちゃんが

通りかかって私の方に近づいてきた。



「あんた、見かけん顔だねぇ。よそ者かい?
そこの木村さんなら1年前に引っ越されたよ。家だけは残ったままだけどねぇ…。」



その言葉を聞いて目の前の希望が


真っ暗になった。家族なら私の事を


覚えてくれていると思ったのに…



…………何でなんだよ…。