宿屋に戻ると
ツキヨさんがドヤ顔で
俺たちに話しかけてきた。

「ぽこぽんさん、鉱山に魔族が出て金属や貴金属が値上がりしてるわよ!」

どこで知ったんだろう…。

俺たちがポカーンと
間抜けな顔を晒していても
ツキヨさんは
気にせず続きを話す。

「鉱山で魔物でも退治してくれば飛行車借りれるんじゃない?」

それはごもっともだが
何故飛行車が借りれなかったのが
筒抜けなのか?

ツキヨさんは
俺の不審そうな顔を見た。

「だって八百屋の奥様に聞いたもの。」

あのメイン八百屋に嫁がいたとか
超展開す…ぎる…と言うほどのものでもないか。

しかし驚くべきは井戸端会議ならぬ
井戸端ネットワークだな。

この手の情報収集は俺とリーヴェ、
人見知りが激しいイルルには
無理な領域だ。

亀の甲より年の功を地で行くツキヨさんに
こっそりと敬意を表した。