城下町から町へと続く草原を
歩いている間
イルルとツキヨさんの問答は
何度繰り返されただろうか。

「ねぇねぇイルルちゃん。ママ、足のマメが潰れちゃったんだけど。」

「唾つけときゃ治る。」

ツキヨさんの目に涙が溜まる。

「ぅわーん!イルルちゃんひどい!バカバカ!イルルちゃんのバカ!!」

まさかツキヨさんが泣き出すとは思わず
戸惑う俺とリーヴェ。

「イルル、もうちょっと言い方ってものが」

「ぽこぽん、お袋を甘やかしちゃダメだ。」

イルルは
見た目こそ愛らしいものの、
実際は鬼のような奴のようだ。

…いや、知ってたけどさ…。