嘘吐きなその唇で




だから、高い壁を隔てる。



……いや、先に高い壁を隔てたのは朝比奈さん、か。



ふっと自嘲気味の笑いがこぼれる。



きっと、今の私の顔は相当醜い。



「えー?彼女さんに妬けます」



それに対して、口を尖らせる柚乃は可愛かった。



私も可愛い性格だったらなぁー……。



そう思うと、さらに顔が歪む。



と。



「灑良さんは妬いてくれないの?」



ゆっくりと彼に視線を向ければ、意地が悪そうに微笑んでいた。