「部屋、変わってないな」

 昨日もここに来た……みたいな言葉。
 相変わらず勝手な男だ。

(何で……何で、今私の前に現れたのよ!)

 軽く下唇を噛んでいると、不意に後ろから逞しい腕で抱きしめられた。

「や……」

 身じろぎするけれど、京介はそんなのにおかまいなく首筋にキスを這わせた。

「拒否してないじゃん、彼氏に満足させてもらってないんだろ?」
「……っ!」

 顔が紅潮し、心臓は破裂しそうなほど激しく打ち付けている。
 今の自分に足りないものが何なのか体の方が正直に分かっていて……心とは裏腹に京介との熱い夜を思い出していた。