あいつの名前は兵藤紳(ひょうどうしん)。 「何で、そんなに見てくんだよ」 紳はあたしのことが嫌いみたい。 いつも、一定の距離を保って話す。 まわりの女の子みたいな扱いはしてくれない。 「相変わらずだなって思って」 「それって褒めてんの?」 「褒めてるよ?」 そう言うと、クスクス笑う。 「ありがとう」