「嘘はやめてほしい…。 部下の人の相談を聞くのなら聞くって、だから帰るのが遅くなるって言ってほしいの」 確かに、一緒にいて抱き合っていたのは悲しかった。 辛かった。 あたしはもう、ダメなんだって思った。 だけど、それ以上に嘘をついたことが悲しかった。 「ねぇ、颯汰」 「ん?」 「…政略結婚なんていいことないんだよ、してる人たちは。親だけが…いい思いをするだけ」