家に着くと、隣の家のインターホンを押す。
「は~い」
「新井です、新井郁理…」
全部言い終わる前に彩葉のお母さんがドアを開けてくれた。
「郁理くん!久しぶりね~。彩葉に用かしら?」
「あ、はい」
「じゃあ、どうぞ?中入って!」
「お邪魔しま~す」
彩葉のお母さんはサバサバしてて話しやすい。
小さい時に彩葉のお母さんが、俺の母親だったら…って何回考えたことか……。
「彩葉、部屋にいるから」
「了解でーす」
俺は彩葉の部屋のドアを軽く2回、ノックする。
「彩葉~。俺」
「えっ!?マジで郁理!」
「マジ」
ドアの向こうからバタバタと足音が聞こえてくる。
相当慌ててんだな。

