意地悪な幼なじみの君に恋をした




けっしてチャラい女が好みってわけじゃない。


ただ告白されたから付き合っただけ。


それでも笠原をフッたのは、真面目すぎて俺と別世界の人間に感じた感じたから。


「お願い…許して…。悔しかっただけだから…」


下を向いてひたすら謝ってくる。

後ろを振り返り、教室の出入口を見ると奏真が哀れむような目で笠原を見てる。


ほんとは許したくない。

彩葉を泣くほど傷つけたヤツだし…


だけど彩葉なら許してやれって言うんだろーな…。


「もう気にすんな。彩葉ならお前のこと許すから。絶対」

「いっ、いいの?」

「次はないけどな」

「ごめんなさい…それから……許してくれてありがとう」


間の抜けたような声でふらふらと教室から出て行った。


俺は彩葉の教科書とノートを持って立ち上がる。

あとで返しに行こっと。