涙でグシャグシャになった目をごしごし拭きながら俺に言った。
「笠原……笠原舞花(カサハラマイカ)…」
「笠原舞花…?」
「思い出せない?」
「お前さ、1年の時…B組だった?」
「そう…」
B組の笠原舞花。
本人だとしたら、見違えるほど変わってしまった。
俺の隣のクラスだった笠原は、入学して早々の春に告白してきた子。
当時は黒髪をおさげにして、メガネまでしてたヤツがこんなに変わって……
「…俺がフッたから逆恨み?それを彩葉にやってんの」
「違う!…あたし…あたし悔しいのっ!辛かったの!」
「辛いのは彩葉とお前のどっちだよ」
「彩葉ちゃんが羨ましかった…真面目そうな見た目なのに郁理くんと付き合えてるから……」
涙声で必死に言われる。
確かに俺が今まで付き合ってた女は、チャラいのが多かった。
だからコイツまで…俺の理想に合わせようとしたのか?

