お互い真っ直ぐ前を向いたまま。
話しにくいけど…
郁理は彼氏の前に幼なじみ。
「文化祭終わって少ししたぐらいから…嫌がらせみたいなのがあって…」
「マジで?」
「うん、マジ。机の中の教科書は消えるし、ジャージも消える」
「なんでもっと先に言ってくんなかったの?」
「心配とかかけたくなかったし…」
「言ってくれたら全力で助けてやったのに」
「え…」
真剣な面持ちであたしに話す。
いつもの郁理と違う……。
「…誰とか検討ついてる?」
「女子だけしかわからない…」
「それだけで十分。明日、置き勉してって」
「えっ?わ、わかった」

