「じゃっ、あたしは邪魔そうだから外すねー♪バイバイ彩葉!」
「あ、うん!ありがとね、美柚!」
先生のいない保健室から美柚はいなくなる。
あっ…ジャージ忘れてた…。
「ジャージ……」
「あれ?彩葉ジャージ忘れたんじゃねぇの?藤野から聞いたけど…」
「えっと…そ、その…調子悪くて」
「……帰りにでも話し聞いてやる」
「うん…」
郁理は気づいてるかも…。
さすがに幼なじみに嘘つくのは無理あったかな。
夕日が射す帰り道。
シーンとした空気の中で郁理に相談することにした。
少し頼ってみよう…
「あの…郁理?」
「ん?」
「話したいこと…あるの」
「いいよ。聞く」

