込み上げてくるモノをぐっと堪えて、ジャージを抱えたまま保健室に行く。
「失礼しまーす…」
「あら?彩葉ちゃん、珍しいわね~。最近元気だと思ってたのに」
「1年の時は熱ばっか出してたから」
「ふふ、そうね。…なんかあったの?」
「いっ、いえ。体調が悪いんで休ませて下さい…」
保健の先生は優しく笑って、あたしをベッドに寝かせてくれた。
この保健の先生は大好き。
坂下ユリ(サカシタユリ)先生はあたしが高1の時にお世話になった。
40代後半でもすごく、スタイルがよくてキレイ。
独身っていうのが不思議。
あたしは抱えてたジャージをベッドの横の小さい机に置き、真っ白の天井を見詰める。
一体誰なんだろう…あたしに嫌がらせをしてくるのは。
原因は多分、郁理と付き合ってるからだと思う。

