少し膨れっ面でいると、あたしの頭をくしゃっと撫でてきた。 「みんなより先に帰っちゃうか?」 「いいの!?そんなことして…」 「大丈夫じゃない?奏真もこのあとすぐ藤野と遊びに行くって行ってたし」 「う~ん…でも…」 「ほら、鞄取りにいくぞ。チビ」 「うっさいな…デカ郁理」 あたしは後ろを着いてく。 昔からは考えられないくらい大きくなった背中。 身長だってあたしの方が大きかったのにね。 文化祭で賑わってる体育館や外に比べて、誰もいない教室。