照れた表情を浮かべながらも郁理は話し続ける。
「つたない歌詞だし、伝わりにくいと思うけど…気持ちは人一倍いれたから」
どうしよ…涙腺ヤバい…。
郁理があたしのためにって嘘みたいだよ。
それに弾きながら歌ってる。
前は弾きながら歌うなんて出来てなかったのに……。
ありがとう、郁理。
ほんとにつたない歌詞だけど、気持ちはあたしにちゃーんと届いてるよ?
あたしも郁理にちゃんと気持ち伝えなきゃね?
演奏が終わってすぐにあたしは郁理のところに行った。
体育館裏でギターをしまいながら、岡本くんや女の子達と話してる様子。
「郁理くんって彼女いたのー?」
「ちょ~残念なんですけど~!」
「どんな子なの?」
「秘密。教えない」
いつもの意地悪な笑顔で言い、ギターケースを抱えてこっちに来る。

