早いことに夏休みも明け、文化祭当日。
朝の学校へ行く道で彩葉からは散々怒られた。
「ねぇ、郁理!どーして夏休み中遊んでくれなかったの?」
「わりぃ。すっげー忙しくてさ…」
「でも!郁理ママが言ってたよ。郁理はずっと部屋に籠ってギターばっか触ってるって」
「それは、あ、アレだよ。文化祭の練習で…」
「あたしギターに負けたのー…?」
「そ、そんなことねーからっ!」
シュンとなる彩葉が可哀想で、どうにかごまかす。
サプライズの曲、彩葉に見つかんないように練習すんのキツかったんだからな…。
「そんな凹むなって。今日は観客席で黙ってみてること」
「わかった…一番前の席で郁理達見るね?」
「ちょっと恥ずかしいわ」
「いいじゃん♪」
機嫌直るのはやっ!
ずっと不機嫌でいられるよりはいいけど…。

