不安なあたしを宥めるように、抱き締める腕に力が入った。
「まぁ…俺の日頃の彼女付き合いを近くで見てた彩葉にしたら不安か」
「うん…」
「約束する。彩葉が泣いて別れたいって言っても別れねーから」
「ほんとに?」
「今まで彩葉の約束破ったことあったか?」
「ない…かも。約束だけは守ってくれたよね」
「だから大丈夫」
あたしの顔を除きこむようにして向けてくれた笑顔。
キュンと胸が締め付けられて、ドキドキする。
これが胸キュンか。
「郁理、今キュンってなった」
「き、キュン?」
「うん。キュンってするの」
よく意味わかってない感じだけど、あたしは別に良い。
郁理の気持ちに気づけただけで十分。