だったら優しくしてやろう。
彩葉に、らしくないとか言われそうだけど。
放課後にいつも通り彩葉と帰ろうとすると、立ち止まりくるりと後ろを振り返った。
可愛いなおい。
「郁理~図書室寄っていい?借りた本返してなかった」
「あぁ。いいぜ」
彩葉に着いて行き図書室に入ると、高い本棚におびただしい数の本が並んでいる。
「ここだから……。よいしょっ」
「チビ彩葉が背伸びした」
「うっさいな!」
「ごめん、ごめん」
笑って彩葉から少し離れた本棚を見る。
すげー数の本があるんだなぁ~。
「うぅ~……」
声のする方を見ると、彩葉が背伸びをして上にある本を取ろうと頑張ってる。
頑張れ、チビ彩葉。

