早いことに10ヶ月。 夏真っ盛りの7月に彩葉は病院に入った。 ベッドの上で苦しんでる彩葉を見ても、なにもできない自分が悔しい。 腰をさすってあげることしかできない。 「うぅ~…やっぱ活発だわ、この子」 「彩葉に似てんじゃない?」 「いや、郁理に似てるんだよ。…痛っ…」 痛みに耐えながら分娩室に入って行った彩葉。 あれから何時間経っただろう? 明け方になっていた。 彩葉の両親も駆けつけ待っていると…… 「オギャアーーー……」 あ、産まれた。 マジか、俺…父親になったの!?