春休みを終えて始業式に行くと、クラス替えの表がデカデカと張ってあった。
仲良しの子とは離れるし、もう散々…。
「…あれ?美柚ちゃん?」
「あ!奏真くん!」
同じ学校だったのかい!
人数多すぎて気づかなかったんだけど…!
しかも、クラスまで一緒ってなんかのイタズラですか?
「よろしく~。最近、スタジオ来てないの?」
「あの時は暇で行ってただけだからね。奏真くんはいつも行ってるの?」
「あぁ、うん。あのスタジオ、俺の親父が持ってるやつだから」
「マジでか…!」
えっ?
なになに!?
奏真くんってお金持ちなの?
「またゆっくり話したいから、スタジオ来てよ!」
「…う、うん」
あ、ヤバい。
ほんとに奏真くんに惚れてるのかも。
それから、一言でも話せればすごく嬉しい気持ちになった。

