それから二日後の朝。
あたしは、着るのが今日で最後になる制服に腕を通す。
パリッとした感じがなくなってる制服は、どれだけ着たかを物語っている。
「行ってきまーす!」
いくつか傷が入ってるローファーも今日で最後か…
なんか寂しいね。
「おはよー郁理」
「はよ、彩葉」
飽きるほど通ったこの道も最後。
大学は高校と逆方向だから、もうあんまり通らないだろうね。
学校までの道は、いつもと変わらず何気ない話しをしながら行く。
満開とまではいかない桜が学校を囲むように咲いている。
正面の玄関には「卒業式」と大きく書かれた白の看板。

