意地悪な幼なじみの君に恋をした




授業が終わってすぐに、俺は教室を出て一人で帰る。

友達がいればいいものの、俺と同じ方向に帰る同級生がいないし…。


歩いているとマンションの近くにあるバス停にバスが停まった。


降りてくる数人の人の中に見覚えのある人が。


「彩葉?」

「あっ!郁理!今、帰り!?」

「あぁ…今終わったの?」

「うん、終わったの~」


受験前と違ってどこかスッキリした顔をしている彩葉と手を繋いで帰る。


まさか会えると思ってなかった…。


「受験お疲れ」

「ありがとう。結果が分かるまでドキドキだけどね」

「彩葉なら大丈夫だって。面接の文章作ったり頑張ってたみたいだし」

「今日の郁理優しい~」


ぎゅっと俺の腕にくっついてくる。

ヤバいくらい可愛い。