ほんとはダメージデカイと思うけど。
「そっかぁ~。今日は彩葉が受験だから一人なんだね!」
「ん、まぁそんな感じ」
「いいね~!ラブラブで羨ましいよっ!」
「…藤野は…奏真とはどうなったの?」
もしかして、これ禁句だった?
玄関で靴を履き替える藤野は、後ろを向いたまま俺に言った。
「あたしはさ…距離置くってのが嫌だったの。距離置くって別れてるようなモンでしょ?」
「一緒にいる時間を減らすってことだからな」
「うん。だから白黒ハッキリつけたかったってゆーか」
「ふ~ん…。奏真はかなりダメージ受けてるみたいだけど」
「知らなーい。ビミョーな関係は嫌いだから」
藤野らしい決断だけど、別れるまでしなくても…。

