冷たい風に包まれて、つい鼻水をすする。
まだ秋なのに冬なみに寒い。
夜だからかな?
「そろそろ帰るか。ほんとに風邪引くな」
「心配してくれてるんだっ!」
「俺が風邪引いたら困るから」
「意地悪。そこはお世辞つかってよ」
「はいはい」
ブランコから離れて、手を繋いでマンションに戻る。
二人とも手冷たいね。
「明日、緊張しすぎんなよ」
「それ担任にも言われた~」
「ふ~ん…じゃあ、これは?」
いきなり郁理の唇が、あたしの額に触れた。
心臓が一気にうるさくなる。
「終わってから、こっちにしてあげる」
意地悪な笑みを浮かべて、あたしの唇を指す郁理。
なんだか、受験頑張れそうです…。

