あたし達のマンションの裏には、夕方は子供で賑わう公園がある。
その公園にあるブランコに乗る。
キー…と寂しい音をたてるブランコ。
「小さい時さ、このブランコ乗ってよく遊んだよな」
「あーうん。覚えてる。あたしがよく郁理にブランコ譲ってたよね」
「そ、それは俺がまだガキだったから」
「ふふっ…そーだねー」
シーンとした夜空には星が二つほど輝いてる。
星とか久しぶりに見たかも…。
「星…キレイだね」
「こうゆう時って、お前の方がキレイとか言った方がいいの?」
「言わなくていいの!普通に照れるし」
「そんなもんなんだ」
「そんなもんよ」
郁理はあたしに気を使ってくれてるのか、受験の話しは一切出してこない。
さりげない優しさがあたしは大好き。

