でもなんだろうね…。
話してるうちに会いたいって欲求が出てくる。
会ったらもっと気持ちが落ち着くかもしれない。
「郁理…会いたいかも」
『は?今?』
「ん、今会いたい」
『風邪引いたりしない?外寒いぞ』
「しない。…ダメかな」
『…玄関出て待ってっから』
「うん!」
郁理の優しさに甘えたいあたしは、軽く髪にクシを通してパーカーを羽織る。
スエットの上からパーカーって、普通に部屋着って感じ。
お母さんには、郁理と少し会うとだけ伝えて家を出た。
吐く息は白い。
「郁理…」
「彩葉…手抜きのくせして遅いな」
「ひどっ!意地悪~」
「公園でも行く?」
「そうだね」
手抜きって…
郁理もあたしと同じようなカッコしてるくせに!

