【彩葉side】



「広瀬は~…えっと…はい、受験票だ。当日まで無くさないように保管しておくんだぞ」

「はい。ありがとうございます…」

「面接で緊張しすぎてもダメだからな?」

「わかってますよ」


秋が深まり、葉の色が変わりだした季節。


放課後に担任から受験票を受け取った。

早いことに今週はもう受験か…。


受験票をファイルに入れて鞄にしまい込み、駆け足で玄関へ行く。


「待たせてごめんね!」

「いや、全然大丈夫。受験票もらったの?」

「うん。もらった」

「そっか」


あたしがローファーに履き替えると、郁理は携帯をいじりながら先を歩いていってしまう。