強がりな表情を見せながら、奏真は一人フラフラと中庭を出て行った。

俺は……彩葉とどうなっちゃうんだろ?


会えない時間多いからってスレ違って、奏真みたいに嫌々別れるか…


口論になってケンカ別れになるか…。


それとも、スレ違いを乗り越えられるか。


こんな気持ちになってるところで、さっきまで青空だった空が灰色になる。


「はぁ~…」

「なぁにため息ついてんの?」

「げっ、彩葉だ」


胡座をかいて座る俺の後ろに、プリントを数枚ヒラヒラさせてる彩葉が立つ。


いつの間にいたんだよ…。


「げっ、ってなによ~。あたしに会って不都合なことでも?」

「いや…別に、不都合なことはなんにも…」


会うのが気まずいだけ。