意地悪な幼なじみの君に恋をした




あんなに仲良かった二人が…?

イマイチ信じられない俺がいる。


だけど、奏真はどこかスッキリした顔で淡々と話す。


「なーんかスレ違いばっかでさ。お互い受験生だし、二人でいる時間とか作れなくて」

「別れるしか…なかったのか?」

「俺は少し距離置くだけにするか…って言ったんだけど、美柚がハッキリしてって」

「だから別れたってこと…」

「そんな感じ」


初秋の蒸し暑さが、さらに空気を重たくさせる。

シーンとした沈黙が俺達を包み込んだ。


藤野のはもちろん、奏真だって別れたくなかったはず。

距離置くだけじゃダメなのは、なんで?


関係をハッキリさせたかったからとか…?