意地悪な幼なじみの君に恋をした




昼休みに少し蒸し暑く感じる中庭に出た。

あまり人がいなくて、なかなかいいかもしれない。


「ゆーりー。そのパン一口ちょうだい」

「ん。じゃあ交換」


購買で買ったパンを交換して食べてみる。

何気ない会話をしながら、奏真の元気がない正体を探った方がいいか…。


「なぁ奏真…」

「んー?」

「なんかあったの?藤野と…」


結局は直球で聞いてしまう俺。

そんな話に奏真は苦笑して言う。


「あー…うん。ないって言ったら嘘になるな」

「やっぱり」

「言っちゃうとさ、美柚と別れた」