意地悪な幼なじみの君に恋をした




も~なんなのよ!

なんでこんなヤツがモテんのよ…。

何だかんだ言って雑誌は貸してくれたけど。


今はやりっぽい感じのファッション雑誌。


「郁理って意外とオシャレだよね~」

「ほとんど親の趣味だけど」

「でもモテてるから良いじゃんか」

「モテないお前からしたら羨ましい限りだろ」

「うっさいわね!」


意地悪郁理め…。

家にお邪魔してるあたしが言えるような立場じゃないけどね。


あたしは郁理のベッドの上でうつ伏せになって雑誌を開く。

郁理は楽譜を開いてギターを弾く。


「ギターうまいね。普通に弾けてる」

「そりゃどうも。話しながらはできないけど」

「ごめんね」


あたしは苦笑気味に郁理に謝る。


ギターまで弾いちゃってさ……

郁理はモテる要素どれだけ持ってるわけ?


モテないあたしにしたら逆に尊敬の念を抱くわ…。