意地悪な幼なじみの君に恋をした




「よしっ!行くかぁっ!頑張るぞ~…美柚とデート!」

「奏真はデートしか考えてないの~?ドラム失敗しないでよね」

「強気だね~美柚!…郁理もベース頑張ってね?」

「ん、彩葉も頑張れよ。緊張しすぎんな」

「ふふっ、ありがとう」


ふわっと笑う彩葉が可愛くて、抱きしめてやりたかったけど……


ここじゃあ、頭を軽く撫でるだけ。


そしたらまた可愛く笑う。


なんか頑張れそう、彩葉のおかげで緊張ほぐれた。


体育館に立つと、これでもかってほどのスポットライトを浴びて眩しい。


藤野は歌を歌いつつ会場を盛り上げてく。

彩葉は歌を歌うだけで精一杯みたいだな。


歓声もあまり聞こえないほど、弾くことに集中した。