集合場所に指定されている音楽室に俺と彩葉が行くと、奏真と藤野は先に到着済みだった。
「おっはよ~!お二人さんっ」
「おはよう、岡本くん!」
「はよ、奏真」
「相も変わらず郁理くんは朝苦手ですかぁ?」
挨拶する奏真に続いて、後ろからひょっこりと藤野が顔を出す。
つーかなんで藤野が俺の朝の事情を知ってるわけ!?
「あっ…今なんで知ってんだコイツって顔したでしょ?」
「い、いや…まぁな」
「あたしには彩葉とゆう情報係がいるからよ♪ねー彩葉っ」
「ええっ!…そうだね」
藤野は女子の情報通で有名だ。
肩を組まれて苦笑する彩葉。
そんなふざけたやり取りも本番前の緊張で、すぐに練習の雰囲気になる。
最後の文化祭だからだよな。

