郁理や美柚はギターの音を調節し、岡本くんはドラムの準備。
そっか、あたしだけ楽器を弾かないから暇なんだ。
郁理の隣にでも行ってよ。
「郁理」
「どうした?チビ彩葉。暇になったか」
「チビチビ言わないでー。ギターの弦引っ張ったら……」
「チビ言って悪かった。だから引っ張らないでね彩葉」
「うん」
郁理が前に、弦の微調整が大変だ…とか言ってたから。
あたしの頭をくしゃっと撫でて苦笑する郁理。
ドキドキするし、全身が熱くなるのを感じた。
「じゃあ、練習しますか…つーか文化祭っていつだっけ?」
「もう3日後じゃん!」
「彩葉、ちゃんと歌詞覚えたかー。記憶力ないんだから」
「郁理の意地悪~!」
あと3日後に文化祭か…。
行事が終わってくにつれて寂しさが募る。
今は、寂しさよりも最後の文化祭に向けて練習、練習!

