俺を嫉妬させないため?

ヤキモチとかでゴタゴタするのを防ぐため?


いや、でも言われない方が良いのかもしれない。

言われたら言われたらでモヤモヤすると思うし…。


「奏真~…俺もしかしたら彩葉が好きすぎるのかもしんない」

「うわっ!郁理が素直になってる!めーずらしい!」

「俺はいっつも素直だよ」


冷やかしてくる奏真に多少苛立ちながらも、助言してくれたことに感謝。


彩葉のこと信じてるから大丈夫。


「奏真~、郁理くん!彩葉が戻って来たよ!」

「あっ!美柚!行こーぜ、ヤキモチ焼きくんっ♪」

「うっ、うるせーよ!」

「郁理、岡本くんただいま~」


制服に着替えて、顔色も良くなって教室に戻って来た。


次、もしも彩葉が倒れてしまうようなことがあったら……


今度こそ俺が王子になってやる。