意地悪な幼なじみの君に恋をした




今言えとか言われても恥ずかしくて言えるはずがない。


「郁理…前みたいに言ってよ。小さい時みたいに」

「ずいぶん積極的だな。頭でも打ったか?」

「打ってませんー」

「…俺んち来る?」

「…行く」


積極的で素直な彩葉も悪くない。

今日、親が帰って来るのはけっこう遅い時間。


こうなったら早く家行かなきゃだ。


「ブレスレットキレイだね」

「だな」


ニコニコ笑う彩葉の小さい手を握る。

細くて折れそうな指。